起業している人、したい人で知らない人はほぼいない、と言える、
ビジネス書「金持ち父さん貧乏父さん」
この中の1エピソードで、
とても上手くマーケティングを言いあらわしている箇所があります。
ある作家を目指すインタビュアーが、
著者ロバートキヨサキに対して、
「私も作家を志しており、
いつかロバートさんのようにミリオンセラーを出したいと考えています。
どうすればミリオンセラーを出せるようになりますか?」
のような質問をしました。
これに対し、キヨサキ氏は、
「そうですね。まず営業(セールス)の経験をする事ですよ。」
キヨサキ氏はこのインタビュアーの文章力を高く評価していましたが、
なぜか営業(セールス)の経験を薦めました。
それに対し、
インタビュアーは一気に不愉快な表情に変わり、
キヨサキ氏に対して嫌悪感をあらわにしだしたそうです。
「良い商品(作品)を作ろう」と考える人の多くは、
売る前提で商品を出す = 腹黒いとか、汚れている
と考えがちです。
しかし、マーケティングの考え方は全く異なり、
「売る前提で商品を出す = 世の中の求めるもの、役立つものを広める」
に近い概念を持ちます。
ありがちな「良いものは自然と売れる」というのは、
99%幻想です。1%は、時代を変えるような画期的な発明要素があるものだけ。
「良いもの」という判断基準は、
基本的に販売側の勝手な思い込みな部分もあり、
その思いが強すぎると、時に「ただのエゴ」に変わります。
本当に「良い」商品であるのであれば、
良い商品を作り出すだけでなく、
世の中に広まる努力(つまり、マーケティング)を
するべきなのです。
マーケティングの概念では、
「良い物」をしっかりPRせずに埋もれさせるのは
世の中にとって良くない事だ、という部分があります。
キヨサキ氏がセールス(営業)の勉強をするべき、と言ったのは、
「ミリオンセラーというものは、購買者の心理が分からなければ、
作り出すのは、歴史に残るような天才作家でしか成し遂げられない。
ミリオンセラーに執着するなら、セールスの勉強をした方が近道だ。」
という事を指しているから(だと思います)。
セールス(営業)は、マーケティングの一つでもあり、
購買者の心理に直接触れる事が出来るので、
マーケターには必要不可欠な要素だと思います。
ただし、マーケティングも、
「世の中が求めている」事を追求しすぎて、
時にエゴに変わり、
「世の中が求めている」のであれば、
どんな商品でも売れば良い、という危険性を含みます。
何事もバランスが重要なのでしょうね。