僕が20代中盤の頃、
数ヶ月だけ関わった
45歳?くらいの上司がいました。
年齢がそれなりでしたので、
見習う所の多い、
仕事が出来る人でした。
だから、ちょっと凄い仕事をしても、
特別驚く事はありません。
それでも、
「この人、凄いな」と思ったのは、
お財布ケータイが登場したばかりの時。
営業先に同行した際に寄った販売店で、
「ねぇ、宮本君、見てよ、これ(おサイフケータイ)で買えるんだって。」
と、ピッと、かざし、
「おお、すごい、すごい」
と、子供のように、最先端の技術を楽しんでいました。
僕がイメージする、その頃の40代は、
デジタルな文化を否定する人が多く、
携帯すら否定する人がいた頃です。
でも、その人は根っからの商売人で、
よくいえば好奇心が強い人で、
『周りが騒ぎ始めたもの』にとりあえず乗っかる人でした。
『●●かぶれ』『ミーハー』という言葉があるように、
日本人の多くは、流行に乗る事を躊躇してしまいますし、
カタチから入る人を軽視しがちです。
でも、流行させるというのは
並大抵じゃありません。
広告業界に関わって、
なおさら難しさを感じます。
商売でも芸能でもスポーツでも、
今、流行っているものやアイデアに触れる事は
新しい発想を生むと思うんです。
そういう好奇心で、
まだ20代中盤の自分が、
むしろ頭が固くなってるはずの
45歳の上司に素で負けていたって事なんですよね。
しかも、普段仕事にうるさく、
イチイチ指摘してくる人だったのですが、
その時は完全に無意識で
差を見せ付けられたのが、
なんともショックな事件でした。