保育士の給料が低い理由が「誰でもできる仕事」という発言での炎上を考える

コラム

都内の公立だと平均年収800万だとかいう噂もあり認可保育園の保育士さんは給料が低いとは思いませんが、無認可だとかなり給料も安くなるそうですね。

そんな中、物議をかもした堀江さんのツイートがこちら

 

個人的な話しをすると、子供が2人おりますが、共働きで、自分の父母と嫁の父はずいぶん前に他界しており、頼れるのは義母さんと保育士さんです。義母さんも比較的高齢なので、本当に緊急時以外は負担を掛けさせたくありません。保育園にかなりお世話になりながら、嫁が責任背負って育児をしていて、ちょっとだけ自分もサポートしています。

堀江さんは育児をされていたと発言していますが、恐らく育児はほぼ奥さん任せだったんだろうなー、と感じます。子供と一緒にいると可愛いさとか手間とかありますが、やっぱりそれ以上のメンタル的な何かがありますが、堀江さんの子供に関するコメントではビジネスや刑務所などでのコメントに比べると著しく表面的に感じられるからです。だから、今回のツイートにはボクシングをしたことない人がプロボクサーなんて簡単だというような違和感が感じられました。

でも、ツイートの「保育士さんが誰にでもできる仕事」かどうかというと、確かに「誰にでもできる仕事」なんだと思います。

そもそも保育園は人材が制約されるような仕事だと困る

もう何年も保育士さんの質の高い仕事を見せつけられてきており、親では真似できない「スーパー保育士さん」もいます(認可だからなのかな?子供だけでなく親も教育する責務を負っている気がします。)。でも、ほとんどの保育士さんが「スーパー保育士さん」でも、「保育という仕事」自体は必ずそのレベルで為さなければ成立しないわけではありません。

もちろん、期待以上の対応力でかなり感謝しているわけですが、そこまででなくても切羽詰まっている自分らは恐らく子供を預けます。ニーズレベルが非常に高い分野なので、そもそも人材が限定されるような仕組みでは世の中的に困ってしまうのです。

それよりもWebの方が誰でもできる仕事

自分のビジネスはWebサイト制作をメインにやっていますが、個人から企業まで幅広く事業者が存在し、場所も割と自由ですし、資格もありません。色んな業種経験した中で、一番守られていない業界、正真正銘の「誰でもできる仕事」です。「誰でもできる仕事」がどういう条件で起きるのか、その状況で商売するとどうなるのか、を身をもって十年以上経験しています。

Webサイト制作で底辺の話しをすると、品質を問わなければ無料で誰でも作る事が可能です。自分も創業当初はホームページを作れずに、商売しながら独学で1年でなんとか作れるようになりましたが、低品質のサイトであることは言うまでもありません。それでも貢献できるポイントさえ間違えなければ買ってもらえるので、自分の給料を上げることもできました。制作時間をコストから除外すれば、無料でサイトが作れるのを身をもって知っていますし、ちょっと勉強すれば「誰でもできる仕事」であることを知っています。

特にWebサイト制作は仕入や作業場といったコストがほぼ無く誰でもできるから、かなり安い金額でオーダーする人もいれば、請け負う人もいます。質よりも価格の安さを重視で依頼相手を探す顧客は多いのも事実です(時にプロの金額支払わずにプロの仕事を求める方もいますが、、、)。

うちの場合は、人を雇っているので給料や残業代払えない金額のオーダーはさすがに断っていますが、フリーランスの場合は安くても自分身一つなら食っていけてしまうので、低価格に無頓着でスタートしがちです。

安値の人も人気がでれば徐々に価格を上げていきますし、低価格のままの人は「自分のやっている価値」を疑い始めて情熱を失いがちです。やる気がなければ対応も悪くなり評判も悪くなり消えていきます。でも、交代で安く請け負う人が新たに参入しますので、安い相場の市場は無くならないのがWeb業界の実情でして、常にいる低価格層のWeb制作業者と比較されるのはWebサイト制作ビジネスでは避けられません。

色んな業界を経験しましたが、ここまで価格の落差が激しい業界は見た事なく、ある意味健全で「誰でもできる仕事」から抜け出なければという意識を高めてくれる業界です。

堀江さんも自分と同じWeb制作からビジネスをスタートしていますし、「誰でもできる仕事」じゃ収入を増やせない構造はビジネスを始めた20代から十二分に知っているはずで、その後はWeb制作でない分野で業績を伸ばしていきました。そういう背景の中から今回のツイートは出てきていると思います。

ほとんどの仕事は「誰でもできる仕事」

保育士さんの話しに戻しますと、ベースにあるのは親の育児の代行です。子供が寂しくないように見えるところにいたり、危なくないように近くにいて、時に注意したり、コミュニケーションを取ったり、遊んだり、時に教育したり、といった親が普段行っている育児の代行になります。簡単に並べつつも大変なのは自分も重々承知しています。他人の子供だと尚更ですよね。でも、ベースにあるのは「誰でも(親になる可能性があるのだから)できる仕事」を代行しているものになります。

「誰でもできる仕事」と「誰でもできない仕事」を比べた時、「誰でもできない仕事」は、新しい商品や仕組み、価値を作っていく仕事が多く、「誰でもできる仕事」は、そういう人達が作った仕組みの中で仕事をする人達という傾向が強く思います。「求人」に出ているような職種は、仕組みを作った中での作業者、代行者を求めているわけで、つまりほとんどの仕事は「誰でもできる仕事」ではないでしょうか。

保育園という優秀な仕組みは既に出来上がっているので、仕組みの中で「(誰でもできないスキルを持った)保育士さん」がいても、基本は「誰でもできる仕事」という構造は変わりません。認可は誰でもできないスキルという敷居の為にあるとすれば、認可外の保育士さんは、認可外ならではの「保育園」の概念を越える何かが必要なんでしょうね。実際、英語とか教育に力を入れているなど特長のある保育園が人気というのは聞きますし。

結局のところ、値上げをするか経費節約か

無認可保育園が保育士さんの給与を上げるには経営者次第なのだと思います。給与を上げられないのは、費用が安すぎるか、不要な経費を掛けすぎているか。これにつきます。

「お客様のため」を言い訳にして、安価路線を貫いてブラック企業化するのは、どの業界でも同じことです。安いはどんな人だって喜びます。保育士さんの給与を上げるために価格を上げれば、どんな人だって嫌がります。

どんな真っ当な理由があっても値上げれば、一定数の反感を買うし、一定数は去っていくでしょう。でも、必要な値上げから逃げてしまう経営者は、どんな理想を掲げていても失格です。経費節約がしっかりしていて、十分な給料を支払えるレベルまで価格を上げた後、お客さんが来ない状態が続くようであれば、自分なら世に必要のない事業と理解して存続を諦めます。

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